
すっかり忘れてしまっていたのですが、五月の文学フリマ東京の振り返り日記です。
昭和初期の神戸を舞台にした『花々の幕間』が新刊でした。華族アンソロジー『百華ノワール』に寄稿した『この花の涯まで』、コピー本で発表した『いつか枯れる花に水をやる』を収録しました。書き下ろしとして『花は海に散るとして』も収録。初めて使う印刷所さんだったので、入稿の勝手が分からず涙目になっていたのですが、無事に完成して手元に届いた時は感動しました…!初めての特殊紙を使用した表紙でもあり、作品に合ったきらっとしたペルーラが本当に可愛い…!ペルーラリピートしちゃいそうです。それでは芸がないので毎回は使いませんが…。
それでは続きからイベントの感想を。
一年ぶりの文学フリマ東京出店でした。今回、割り振られたのは初めての二号館。そして今回は、『七ツ森舎』の津森七さんと隣接させてもらいました。
過去最高の出店数、入場者数だった文学フリマ東京38。当スペースは二号館の、しかも二階だったため、恐らく一番人の足が遠のく会場だったと思います。逆にそれが一日穏やかに、ゆっくり足を止めてもらえる要因だったのかな、と。大混雑だった時間帯はなかったと記憶しています。
一号館へは自分の買い物にも行ったのですが、とにかく動きが取れない。目当てのサークルさんに辿り着く前にギブアップしてしまい、一号館を抜け出しました…無念……。元々、伺いたいと思っていたスペースは二号館に固まっていたので、全部回り切れなかった、というわけではないのですが、ゆっくり見て回って、初見で表紙買いする、というような経験はちょっと難しかったです。
と言うと、なんだかマイナスな感想で終わってしまいそうですが…。文学フリマに参加し始めて約二年、設営や宣伝もいろいろ考えて、ようやく安定して毎回同じくらいの本が旅立って行くようになりました。最初期は両手で足りる数しか出なかったり、一日ぼーっと座っているだけ、みたいなこともあったのですが…。見本誌コーナーが復活したのも大きかったと思います。見本誌コーナーで見て、スペースに来て下さった方もいらっしゃいました。ありがたいです。

せっかく隣接させていただいたので、合わせてのスペース写真を。とうとううちも紙の本棚とポスタースタンドを導入しました。これだけでなんとなくテンションが上がります!そういえば、二号館はテーブルの奥行きが広く、余裕を持った設営できました。後ろのスペースの方にもぶつかりません。これくらいの規模が私は嬉しいですね。

前回の京都から、こういった作品紹介カードを設置するようになりました。作品の雰囲気に合わせたあらすじカードは作るのも楽しいです。フォト用紙に印刷して角丸にすることでより可愛くなります。
せっかくポスタースタンドを購入したので、大きいポスターを刷ってみてもいいかなと思いました。ぱっと見て分かるキャッチフレーズがあるといいのだろうなあと…。
ちなみに、新刊よりも既刊の『未必のトラジェディー』がかなり多く出ました。
そしてとても個人的なことではあるのですが、直前に身内に不幸があり、文学フリマ東京前は心身共に疲弊していました。一時はイベントへ参加しないことも考えたのですが、周りの友人たちに助けられ、無事に当日、参加することができました。新刊も危ぶまれたのですが、こちらもアドバイスをもらったり助けてもらったり…。新刊を作ることに集中して逆に良かったのかも知れません。文学フリマ東京でたくさんの方にお会いできて、諦めなくてよかった、生きていてよかったと思いました。大袈裟かも知れませんが、あの時、文学フリマがあってよかったです。