
二度目のビッグサイトでの開催となりました、文学フリマ東京。今回も七つ森舎の津森七さんと隣接させていただきました。私は東京と大阪・京都しか参加していないので、いずれに参加しても「お久しぶりです!」となります。東京は年に二回開催されるので、皆さん半年ぶりでした。皆さんのお元気そうな顔が見られて何よりでした。
今回は開催前からいろいろあったので、そこから振り返って行こうと思います。
▼原稿入稿できない事件
そもそも、予定がずれ込んで新刊の入稿が自分の中で決めていたより一週間遅れました。それでもめいいっぱい納期を延ばして、直接搬入にすればもう少し先でも可能だったのですが、あまりにぎりぎりだと心臓に悪いのと、費用がかさみますので、ごにょごにょ。
そういうわけで、自分で決めたデッドラインがあったのですが、その当日に入稿しようとしたところ、印刷所さんのサイトでエラーが出続けて入稿できない事態が発生します。焦って他の印刷所さんを見てみても、締め切っていたり費用ごにょごにょだったり…。しかし、元々お願いしようと思っていた印刷所さんのお知らせやSNSを見ても、受付停止はしておらず、混乱した私は問い合わせメールをしました。が、メールを送った後で思い立ってブラウザを変更したら全くエラーは出ず。このイベント前のド忙しい時期に手を尽くす前に問い合わせて本当に申し訳なかったです…。丁寧に対応して下さった印刷所さんありがとうございます。これからもお願いします…!
▼文フリ前夜
とはいえ、カバー巻きもお願いしたので納期は延び、新刊は直接搬入も辞さない覚悟でした。まあ文庫本くらい手持ちでも行けるか…と思ったのですが、無事に発送期間内に到着。新しい値札も作って宅配発送も期限の前日に完了。もうあとは細々としたものを手持ちで当日入るだけのように思われました。
しかし、ふと思い立って手元に一冊だけ置いていた新刊を確認すると、最初の中扉の向こうに、何かおかしな文字が透けているのが見えました。どう考えても明らかに私が打った覚えがないやつ…と思って恐る恐るページを捲ると、フォントの埋め込みが上手くいっておらず、突然どでかいアルファベットが出現していたんです…………。

フォントが埋め込めていないのを発見した時の私のSNSがこちら。叫んでいる場合ではない。
この後、焦りに焦ってパソコンを立ち上げ、本来こうなるはずだった、の中扉を印刷し、お詫びの文書を作成、したはいいものの、その中扉の印刷も何度かミスプリしました。A4サイズのコピー用紙をA5サイズに裁断したのですが、焦ったのでその裁断も結構失敗。A5用紙に中扉2ページ分を印刷したのだから、お詫び文もA6サイズにすればいい感じに挟み込めるというのに、焦っているとそういう発想もできませんでした。そうこうしている間に日付は変わり、早く寝るはずだった文フリ前夜、結局いつもどおりの真夜中就寝となったのでした。

こうなるはずだったよね…………。
▼文フリ当日、事件は続く
もうこれ以上ないだろう!と、朝も余裕で準備をしていたのですが、家を出る15分前に、頒布物一覧表を作り忘れていることに気付きます。タイトルと値段の一覧をA5用紙に印刷し、出た冊数を正の字で数えているのですが、まさかの出発15分前に思い出し。いや、思い出しただけましなのかもしれません。昨夜動揺慌ててパソコンとプリンタを起動しました。前回の文フリ京都で使用した一覧表のファイルが残っていたのが不幸中の幸いでした。ちょっと手を加えて印刷、クリアファイルに挟んでやっと家を出ます。

物販一覧表。こちらは文学フリマ京都のもの。
事件は終わりません。会場入りし、荷物をブースに運んできて開封して気付きます。お品書きを印刷していない。ここまで忘れ物の多い文学フリマは初めてで、この辺りでもう笑えて来てしまいました。どうしたらいいか分からなくて。ポスター印刷忘れました、と謎報告を隣接の津森さんにし、コピー機コンビニにありますよ!と励まされ、荷物を置いて元来た道を走ります。
今回、文学フリマが開催されたのはビッグサイトの南館。一番新しいらしく、とっても綺麗なんですね。当サークルの配置された1・2ホールから出てすぐのところにローソンがあるのですが、その近くにコピー機サービスの部屋があるんです……すごいですね……Wi-fiを繋げばスマホ内の画像が印刷できるんです……。奇しくも、「要るかどうか分からないけど持って行くか」と、前日お財布に3枚入れていた50円玉。そう、A4のカラーコピーは1枚50円でした…………ここだけは昨日の私、グッジョブです。
印刷したお品書きを握り締め、競歩の如く速足でブースに戻ります。南館の廊下、めちゃ暑い。ホールの中も結構暑くて、汗をかきながら設営しました。

間に合って本当によかったね!
▼新刊について
当方の新刊についても少々。今回の新刊は、『私の愛したカンパネラ The 2nd movement』です。3年ほど前に発行した『私の愛したカンパネラ』の続編です。続きものなので、今回はあまり出ないだろうと踏んでいたのですが、前作とセットで購入して下さる方も見えて嬉しかったです。続きものを書いたところでかなり需要が厳しいところかとは思いますが、好きだから書きます!それが同人のいいところだよ!…とはいえ、前作に続き、新刊を手に取って下さった方も多く、ありがたいとしか言いようがありません…!

表紙はばよりんですが、ピアニストの話です。
そして今回の無料配布は、これまでとは違うものにしてみました。新刊『私の愛したカンパネラ The 2nd movement』が、前作よりも音楽要素が増えるということで、補足的な資料を作りました。本当はもっと、タイトルに絡めて『ラ・カンパネラ』を掘り下げたり、私の好きなロマン派について書いたりしたかったんですが、用紙の大きさ上ちょっと無理でした。続きが出る時にまた作りたいです。ちなみにこちらは、『私の愛したカンパネラ』を手に取って下さった方にだけお渡ししています。無料配布を配布できないことは目に見えていたので、カンパネラの購入特典としました。いらすとやさんありがとう。

こちらをお持ちの音楽関係者の方がみえましたら、目を細めてうっすら見てやってください。
▼設営について
今回、敷布を新しくしてみました。以前は花柄のものを使っていたのですが、本が映えるように無地に。そして、どう考えてもサイズが合っておらず足元が全く隠れていなかったので、長いものを用意しました。サークル名が『未明の藍』、私の名前が『泉海紫乃』なので、密かにいろいろなところで寒色にこだわっています。
この、スペース前のサークル名の用紙は、養生テープで貼ったにもかかわらず何度も剝がれたので、次回以降要検討です。配置については、撮影の後にコピー本の位置を本棚側に移しました。本棚にポスタースタンドが隠れている点は、次回は一段なにかの上に載せようと思います。前方に見えたサークルさんが、台の上に置いていて、「台に置いてはいけない決まりはないな?」と今更ながらに思ったのでした。気付くの遅い。
こうして見ると、ポスタースタンド大事だなと思います。パッと見てどのようなテーマか分かるキャッチコピーを今回は省いてしまったので、そこもなかなか足を止めてもらいにくかった要因かも知れません。次回は当方のスペースにも大きなキャッチコピーが印刷されたポスターが貼り出される、かも…!
▼買い物してみて
今回、多くの人が懸念されていたのが、1・2ホールと3・4ホールの階が違うことだったと思います。流通センターも本館と別館の移動が大変でしたので、私もちゃんと買い物できるかどうかかなり心配していました。
結果的には、かなりスムーズに移動できたと思います。階が違うとはいえエスカレーターがありますし、廊下もホール内の通路も何もかも広いので、流通センター最後の文学フリマ東京のように、混雑して進まない、ということはありませんでした。今回、積読がタワーを作っていることから、回るサークルさんをかなり我慢したのですが、それでもスムーズに回れたと思います。


絞ったと言いつつ、買わずにいられなかった紅茶の本……。
▼出店して
南ホールのいいなと思うところは、何より綺麗で明るい。四角のホールなので変に迷子にならず、人の流れも変な所で交錯しないかなと思います。前回の西ホールはちょっと不思議な形をしているんですよね。あとちょっと暗い。
サークル間のスペースもやはりかなり余裕がありました。後ろとごっつんしません。そこそこ荷物を広げても大丈夫です。お買い物やお手洗いでスペースを抜ける時も、「すみません、すみません…!」と言いながら細くなって出る必要がありませんでした。
私個人の失敗は過去比較できないほどたくさんあったのですが、終わってみればとても楽しかったです。毎回、大きな事故なく終えることができれば上出来だと思っているのですが、今回も事故も怪我もトラブルもなく帰宅することができました。
そして今回から、サイン会が開催されるような大きなサークルさんは配置が配慮されたようですし、私の近辺では何か大きなトラブルも起こっていなかったように思います。通路が京都くらい余裕があったので、別のサークルさんのお客さんがなだれ込んで来る、ということもありませんでした。ただ、通路が広いということは通りすがりの方との距離があり、名刺を配るのは諦めました。
設営や宣伝に個人的な課題は残りますが、前回と比較してもがくっと売り上げが落ちた印象はありませんでした。ちょっとずつ右肩上がりになるように工夫していきたいです。次回の当方の文学フリマ参加は11月の東京です。こちらでどうしても出したい新刊があるので、引き続き執筆をがんばろうと思います!

ありがとうございました!
あと、南ホールのお手洗いめちゃめちゃ綺麗です。これとっても大事。